設定トルクの自動設定


    

設定トルクの自動設定

機械式のトルクレンチの場合、ボルト(ナット)サイズに合わせたトルクレンチを用意し、各工程毎で使い分けながら締付作業を行います。
プロレンチと製造支援ソフト「デジプロマスタ」やPLCを組み合わせれば、各工程ごとにトルクレンチの設定値を自動で変更することができます
また、プロレンチは測定範囲内であればいくらでも設定を変更することができるので、機械式のトルクレンチの時より、大幅に使用する本数を減らすことができます

何故トルク設定が自動でできるのか

プロレンチの無線受信機はPCソフトウェアやPLCと「シリアル通信」を行うことが可能だからです。ちなみに機械式トルクレンチの場合、単能型は変更できず、プリセット型は手動で変更可能です。

PCソフトウェアやPLCから設定変更のコマンドをシリアル通信で送信すると、プロレンチは受信した設定変更コマンドを実行し、設定変更を行います

ちなみに、あらかじめプロレンチ本体に設定値を10パター持ち、手動で切り替えることも可能です。

機械式トルクレンチの場合はトルクレンチの設定を変えるというよりは、該当ボルト用のトルクレンチを用意し、専用で使うイメージになります。
プロレンチの場合は測定範囲内であれば設定を変えて使いまわすイメージになります

以下、プロレンチとデジプロマスタを使って、設定値の自動設定を説明します。

①デジプロマスタで組立手順のマスタ登録

デジプロマスタのマスタ編集で製品の組立手順を登録します。
組立手順には「締付」系、「組立」、「測定」、他があります。

作業内容の説明や、写真、動画の登録も可能です。
熟練作業者の注意点を登録すれば、新人教育でも利用できます

作業標準オプションを利用すれば、自社フォーマットの作業標準エクセルへ、登録したマスタを書き出すことが可能です。

②締付工程の登録

締結作業の手順は作業分類を「トルク法締付」、「角度法締付」、「2度締め防止」、「ねじ締め検査」どれかを選択し、作業分類に応じて「使用工具」「下限、上限トルク(角度)」「締付回数」、「規定角度」、「許容角度」、「インターバルタイマ」を設定します。

③作業開始

作業画面が締付作業の工程になると、デジプロマスタからマスタ登録されている設定をプロレンチへ送信します

またわかりやすいように、該当工程で使用するプロレンチのLEDを光らせたり、逆に、使用しないプロレンチの液晶表示をOFFにする機能もあります。

ちなみに、間違えて指定外のトルクレンチで締付作業を行った場合、作業画面は一切反応しません。

④同時にトルク管理とポカヨケ

作業者が締付作業を行うと、トルクレンチからピークトルク値(角度値)が送信され、デジプロマスタが締付データを判定します。

オーバートルクの場合はカウントアップしません
(※カウントアップする設定にすることも可能)
また適切な締付データが設定回数分受信するまで、次の作業へ進むことができません

機械式トルクレンチでは締め付けた時のトルク値は不明ですが、プロレンチでは締め付けた時のトルク値で判定することができ、より正確なトルク管理が可能になります。

締め終わったボルトを再度締め付けてしまう場合もあります。作業区分を「2度締め防止」にすれば、角度計測も同時に行い、ピークトルク時の回転角度が、規定角度未満の場合はエラー警告を発し、締付結果も送信されないので、デジプロマスタ側は回数カウントを行いません。

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